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絶景・歴史・森林浴で五感を刺激。 九州オルレで半日トレッキング

本格的な登山は自信がないけど、自分のペースでゆっくりと自然の中を歩いてみたい。そんな人にぴったりなのが「オルレ」と呼ばれるトレッキングコースです。もともと韓国・済州島からはじまったもので、その姉妹版として登場したのが「九州オルレ」。四季の美しい景観を楽しめるコースが九州各地に整備されており、今回ご紹介する「久留米・高良山コース」もそのひとつ。コースの魅力をフルにお伝えすべく、全長8.6kmの道のりをカメラ片手に歩いてきました!

スタートもゴール地点も駅だから、快適アクセス♪

九州オルレコースの中では中~上級と言われる「久留米・高良山コース」。筑後国一の宮高良大社をはじめとするパワースポットが点在し、季節によって表情を変える自然の趣が存分に楽しめるとあって、幅広い年代の方が訪れています。 スタート地点はJR久大本線「久留米大学前」駅。まずは駅に設置してあるリーフレットをゲットして、コースを確認しましょう。近くのスポットで特典が受けられるスタンプの押印も忘れずに。ゴールとなるJR御井駅まで、もくもく歩けば3~4時間ですが、無理せずのんびりマイペースでOKです。水分補給の飲み物や、日差しが気になる方は帽子も持参するのがおすすめ。コース上には、「カンセ」と呼ばれる済州島の馬をモチーフにしたオブジェや、青と赤のリボン、木製の矢印がところどころに設置されています。これらを目印にLet's walk!
ハイキングに出発する人々の画像
やる気に満ちあふれた仲間を連れて、JR久大本線「久留米大学前」駅をスタート!
九州オルレの道順を示す標識の画像
木製の矢印は、青が正方向、赤が逆方向を示しています。もしJR久大本線「御井」駅からスタートしたいなら、逆方向の赤の矢印に沿って歩けばいいのですね

趣ある小さな池。秋の紅葉もみどころ(御手洗池)

駅から住宅街を抜けてしばらく歩けば、高良大社への旧参道にある御手洗池が出迎えてくれます。池にかかるアーチ状の石橋周辺にはモミジの木が立ち並んでいて、11月中旬頃からは、美しい秋景色が楽しめるそう。
御手洗池を眺める男性の画像
コース最初のフォトジェニックスポット
御手洗池の紅葉シーズンの景観の画像
こちらは御手洗池の紅葉シーズンの景観です
さぁ、ここから長い石段が続きます。両側の木々から聴こえてくる鳥のさえずりや風の音に、どんどん心が浄化されていく感じ…。
長い石段を上る人々の画像
途中ですれ違う人たちと交わす挨拶も、気持ちがよいものです

愛のパワースポットでラブ注入!(夫婦榊・愛のさざんか)

間もなくたどり着いたのは、2本の木が互いに手を取り合う、仲睦まじい「夫婦榊」。その横には、二手に分かれた幹が途中でひとつに繋がっている不思議な木「愛のさざんか」も発見。愛の御利益を願って、たっぷりパワーをいただきましょう。
夫婦榊と愛のさざんかの画像
確かに、夫婦のような深い絆を感じます
まきノ木の画像
愛もいいけど、隣の不老長寿「まきノ木」も気になります。「愛のさざんか」はこの奥に
そこからすぐ先に広がっているのが「あじさい園」。コースの周辺、3000平方メートルの敷地に、約4,500本のアジサイが植えられているのだそう。初夏の散策もまた、違う雰囲気で楽しめそうですね。
6月頃のあじさい園の画像
6月頃はこんな感じに、アジサイの花が咲き誇ります
コース途中のレスキューポイントの看板画像
コースの途中には、番号の書かれたレスキューポイントの看板が各所に立っています。ケガなどの緊急通報時には、近くのポイントの番号を伝えて場所を知らせましょう

変化する色のグラデーションにうっとり(旧宮司邸~孟宗金明竹林)

スタートから約1時間、まだまだ元気! 高良山の参道・中腹に差しかかると、「もみじ谷」とよばれる、江戸時代から続く紅葉の名所「旧宮司邸」が待っています。11月頃には、山門を包み込むように谷全体が紅く染まり、抒情的な美しさを見せてくれるそう。
秋のもみじ谷の様子の画像
秋のもみじ谷の様子。この景色を見るためだけにでも、また訪れたくなります
歩を進め、木洩れ日の心地よさにふと見上げれば、キラキラと輝く竹林に囲まれていました。実はここ、国の天然記念物にも指定されている、全国で4カ所にしかない景勝地「孟宗金明竹林(もうそうきんめいちくりん)」。しばし、幽玄な世界に身を置いて、英気を養います。
竹林に陽の光が透けている画像
陽の光に透ける緑や金色の竹の葉も美しい
ここからは比較的なだらかな山道が続きます。マイナスイオンを浴びながら体力をリチャージ!
照葉樹林の水平道を歩いている画像
照葉樹林の水平道で、心も穏やかに森林浴を楽しめます
カンセ(目印)の近くを歩いている様子
要所要所に立つカンセが見守る中を、てくてく…

木立の間から覗く展望でひと休み(恋実る展望台)

展望スポットに到着! 天気がいい日は、遠く普賢岳までを望むことができます。「恋実る展望台」という名前は、木立のカタチがハート型に見えることから…だそうですが、ちょっと歪んだハートに見えたのは、愛が足りないからなのでしょうか…。
景色を眺めている女性の画像
標高260メートル。「こんなに高いところまで登って来たんだね」

凛とした空気漂う、穴場の聖地(奥の院)

展望台から200メートルほど進むと、神聖な空気とエネルギーに包まれた高良大社の奥宮が見えてきました。霊泉の湧く聖地としても知られており、あらゆる願い事を叶えてくださる神として信仰を集めているそう。
奥の院に参拝している画像
特に、暦上の「寅」の日に参拝すると御利益が多いと言われており、多くの人が訪れます

筑後平野を見渡す絶景に感動!(久留米森林つつじ公園)

水分を補給し、さらに歩き続けて約2キロ。コースの半分を過ぎて到達したのが、「久留米森林つつじ公園」です。そこに待っていたのは、まるでご褒美のような筑後平野の絶景。一瞬にして気分爽快、疲れも吹き飛びます。また公園内には、久留米つつじが約100種・6万1,000株植えられており、4月中旬~下旬頃は一帯が鮮やかなピンク色に染まるそう。
夏目漱石句碑と景色を眺めている人々の画像
手前の石は、夏目漱石句碑。漱石もこの景色に心打たれたのでしょう
11月下旬のつつじ公園の様子の画像
11月下旬のつつじ公園。紅葉スポットとしても人気です
つつじ公園内にある売店の画像
公園内にある売店では、コーヒーや軽食で休憩ができます。店内ではオルレグッズの販売も

神秘的なパワーを体で感じて(高良大社)

つつじ公園から30分ほど散歩気分で進んだら、ついにコースのハイライト、筑後国一の宮「高良大社」に到着。西暦400年創建の歴史ある神社で、社殿は、神社建築として九州最大規模を誇る国指定の重要文化財。国指定史跡の「神籠石(こうごいし)」や、標高231メートルからの見事な眺望も見どころです。
高良大社の外観画像
厄払いや延命長寿など生活全般に御利益があるといわれています
高良大社の社殿を降りた参道には、休憩処「高良山茶屋 望郷亭」があります。うどんなどの軽食メニューがあるので、お腹が空いたらここでランチもおすすめ。ちなみに今回は、名物の「ところ天」と、久留米市の秋の郷土料理「かますずし」をチョイス♪ どちらも手づくりの美味しさで、お腹も心も満たされました。
高良山茶屋 望郷亭の外観画像

水面に映る景色も美しい、桜の名所(王子池)

ほどよい疲労感を感じながら、そろそろラストスパート。ゆっくりと下り道を降りていくと、「王子池」にたどり着きます。周囲の景色が鏡のように水面に映り、とってもキレイ。春になれば、地域住民のみなさんが植樹したという桜が咲き誇り、花見に訪れる人も多いそう。
王子池の全体画像
王子池は、蜂のように噴き出す大迫力の花火で知られる、県指定無形民俗文化財「動乱蜂」の舞台でもあります
池を過ぎたら、後はゴールへまっしぐら。30分ほどで、ゴールのJR御井駅に到着! ホームのベンチで互いの健闘をたたえながら、達成感に浸るひと時。
電車を待っている人々の画像
運動もしたし、この後の久留米グルメツアーの相談をしながら電車待ち
コースを振り返ってみると、登りの勾配はキツイ箇所もありましたが、登山というほどハードではないので老若男女で楽しめそう。絶景にも出会えたし、森林浴で心も浄化されたし、パワースポットで運気も上がった気がするし、最後まで飽きずに歩くことができました。特に紅葉を迎える秋は、絶好のオルレシーズン。みなさんもぜひチャレンジしてみてください!

九州オルレ久留米・高良山コース

電話番号
0942-30-9137
FAX
0942-30-9707
関連リンク
九州オルレホームページ(外部リンク)
より歴史や自然を詳しく学びながら歩きたい方は、オルレガイドをお願いすることもできます。(要事前予約、1団体につき5,000円)

問い合わせ:高良山観光ボランティアガイドの会事務局(御井校区コミュニティセンター内)
電話番号:0942-44-0516
Fax:0942-44-0568
 
※2020年11月2日時点の情報です。
ライターの吉野由紀さんのプロフィール写真

結*エディット [yu*edit]  吉野友紀

福岡・九州をこよなく愛す、旅好き妙齢女子。お酒と美味しいものを原動力に、各地へ足を運ぶ日々。まちの魅力を、全国にそして海外に伝えていきたいという思いを胸に抱えつつ、フリーランスとして編集・ライティングを幅広く手掛けています。