有馬家霊屋は、JR久留米駅の北西、筑後川左岸の小高い丘に開かれた江南山(こうなんざん)梅林寺(ばいりんじ)の境内に所在します。
境内裏側の丘の上下段に有馬家の墓所が造られ、下段には墓石である五輪塔(ごりんとう)を納めた納塔(のうとう)廟(びょう)2棟と、丘の上段には位牌(いはい)を納めた位牌廟3棟が残されています。
梅林院霊屋は、丘の下段に造られた納塔廟で、花崗岩(かこうがん)の切石(きりいし)基壇上に入母屋造(いりもやづくり)で本瓦葺(ほんかわらぶき)の覆(おおい)屋(や)が建立されています。内部には藩祖(はんそ)則賴(のりより)(梅林院)と則賴室(しつ)、則賴女(むすめ)の五輪塔が安置されています。前面に配置されている石(いし)燈(とう)籠(ろう)に刻まれた銘文(めいぶん)から、寛永(かんえい)7(1630)年に建立されたことが分かります。伝統的な和様(わよう)三間(さんけん)仏堂(ぶつどう)で、17世紀前期の建築様式の特徴をよく示しています。