春林院霊屋は、丘の下段、墓所の南東部に位置し、梅林院霊屋の北東隣りに建立されています。初代藩主豊氏(とようじ)の霊廟で、前面に配置されている石燈籠には、寛永(かんえい)20(1643)年9月30日の建立と刻まれていることから、豊氏(春林院)の埋葬(まいそう)を契機に建てられたものと考えられます。
屋根構造が宝形造(ほうぎょうづくり)となっているのが特徴で、花崗岩の切石基壇上に建立された本瓦葺の建物です。内部には豊氏と豊氏室(長壽院(ちょうじゅいん))、2代藩主忠賴(ただより)(瓊林院(けいりんいん))、5代藩主賴旨(よりむね)の五輪塔が安置されています。正面向かって右手に配置されている豊氏の五輪塔は一回り大きく、台座には建立にいたる経緯が記されています。