広大な森の中に佇む、巨峰開植の地・田主丸の生まれた珠玉のワイナリーです。
ここでしか飲めないワイン、忘れ得ぬ新酒の味わい。
その水はけのよい山の斜面で育つ巨峰は、芳醇な甘さとほどよい酸味のバランスがとれ、深い味わい。
レストラン「ホイリゲ」では、発酵途中の、他では味わえない巨峰の新酒を楽しむことができます。微炭酸で美しい色合いのその新酒は、味わいの変化を楽しみに幾度も足を運ぶファンも多い逸品。緑豊かな森の中で、ワインとぶどう狩りを心行くまで楽しんでみませんか。
田主丸巨峰開植のドラマ
田主丸に巨峰をもたらした九州理農研究所に土地や資金を提供し、越智先生を陰で支えていたのは、巨峰ワイン工場の創始者、若竹屋十二代目林田博行さんでした。巨峰の苗を最初に植えた5人のうちの一人だった博行さんは、売れなかったらどうするのかと思い悩む人々に「残ったら自分が買い取るから」と言って、その背中をおしました。やがて見事に実った巨峰を見て、博行さんは思います。「いいワインができるかもしれない。」長年、酒造りに生きてきた博行さんの勘でした。
そして巨峰ワインの誕生
現在、ワイン工場の社長である十三代目林田伝兵衛さんは、子どもの頃にその巨峰開植の歴史の一部始終を見ていました。そして醸造工学を学んだ後、田主丸へと戻り、大粒でワインには向かないといわれた巨峰で、博行さんの夢だった「巨峰ワイン」をこの世に誕生させたのです。ほんのりとした緋色の赤、白とともに馥郁とした甘さがあり、日本生まれのぶどうからつくられたワインらしく、和食にもあいます。「発酵の時、泡がはじける音にそっと耳を傾ける。その対話によって、毎年いいワインが生まれます。」と語る伝兵衛さん。巨峰開植の地・田主丸で生まれた独創的なワイナリーです。
ぶどう畑を見ながら
ワインを傾ける至福の時
工場で生まれた各種のフルーツワインが試飲できる販売所では、ブルーべーリーワインも人気です。世界最古の巨峰ワインが眠る地下貯蔵庫を見学したり、木立に囲まれたバーベキュー施設でパーティーを楽しんだり(要予約)、緑の中でゆったりと過ごせる「ワインの森」。巨峰の季節には園内でぶどう狩りも楽しむことができ、恒例の「ワイン祭り」は多くの人で賑わいます。
そして、ワインと食事が楽しめる「ホイリゲ」も05年にオープンしました。“Heurigen”とはドイツ語で「今年できた」の意味。ドイツでは、新酒を飲ませるパブをホイリゲと呼び、その名の通り、シーズンになるとワインになる途中の珍しいワインや、ヌーボーも味わえます。延々とぶどう畑広がる田主丸の風景を見ながらワインを傾け食事を楽しむ、そんな至福の時を過ごせるとっておきの場所です。