久留米ぶらり旅
- 山辺道文化館
- 成田山 久留米分院
- 高良大社
地域医療に貢献した洋館 大正のかをりを感じて(山辺道文化館)
こんなに素敵な病院だったら通いたい!?
久留米市で唯一「伝統的町並保存地域」に指定されている草野町。古い神社や仏閣、家屋が並んでいる。まずは「久留米市世界のつばき館」の館内で「久留米つばきジェラート」を堪能。つばき油がブレンドされたなめらかな舌触りが心地良い。 つばき館の裏にある300Mの小径をてくてく歩いて、今回のメイン「山辺道文化館」へ。
つばき館と同じグリーンで塗装された外観がノスタルジックな雰囲気。
ここは元々病院だった。大正初期に建てられた洋風の木造建築物として珍しいのだとか。古い病院と聞くと暗くてちょっと恐いイメージだけれど、中に入ってみると白い壁と薄いブルーのドアが爽やか。廊下のアーチ状の垂れ壁が可愛らしい。ヨーロッパのお洒落な邸宅に遊びに来たかのようだ。草野の伝統的なお祭りを紹介する部屋や、小さな企画展が開かれている部屋をのぞいてから、2Fの休憩スペースで一息つく。ここでは毎週木曜、地元の食材を使った[くさの木春食堂]がオープンするらしい。
山辺道文化館
- 所在地
- 久留米市草野町草野487-1
- 電話番号
- 0942-47-3015
- 利用可能時間
- 10時~17時(入館は16時30分まで)
- 休み
- 月曜日(祝日を除く)
祝日の翌日(土・日・祝日を除く)
年末年始
展示替え期間
- 駐車場
- あり
日本最大級の高さを誇る 力強く美しい大観音(成田山 久留米分院)
観音様の体内を進んだ先は地獄だった
3号線を車で走っていると、異様な存在感を放つ大きな白い像が見えてくる。[成田山 久留米分院]の観音様だと知っていても、実際に寺院まで行ったことがある人は意外と少ないようだ。今回はこの「救世慈母大観音」の全貌を解き明かしたい。 寺院の駐車場までやって来たが、やはり圧倒される大きさ。その高さ62m。車なんて踏みつぶされそうだ。眉間にある白毫には純金の板に3カラットのダイヤモンド18個が付いているという。胸を飾る瓔珞には2千カラットの水晶と56個の翡翠が散りばめられているらしいが、遥か遠くにあってほとんど見えない。豪華な宝石も嫌味を感じさせず身にまとわれているところが奥ゆかしい。
本堂でお参りを済ませると、早速観音様の体内へ。
背後にある入口から侵入させて頂く。さすがは慈悲あふれる観音様、暑くて汗だくだった私たちをひんやりと包み込んでくださる。肩の付近まである長い螺旋階段は案外さくさくと上ることができる。体内の壁面には建設時の写真が飾られていて、観音様がその胸に抱く赤ん坊のお顔も拝することができた。賢そうな良い面構えである。階段の先にある展望孔からは久留米市街を見下ろすことができ、忙しくうごめく人や車が豆粒のように見えた。これが観音様のご覧になっている世界。人間なんてずいぶん小さな存在だなぁとため息をもらしてみる。 そんな人間が悪いことをしたら落ちるという地獄を垣間見られる「地獄館」も今回のお目当てのひとつ。
体内から細い地下通路を進んだ先にその入口はあった。ドクロで装飾され、お化け屋敷に匹敵する恐さだ。暗闇の中を一人突き進んだ私をどうか褒めてほしい。そこにポッと現れたのは八大地獄。血みどろの亡者が屈強な鬼たちに鋸で切り裂かれ、焼けた鉛玉を食わされ、釜茹でにされている。うめき声が力なく静かに響く。残酷な描写が続く地獄をすべて見学し終え、外に出てホッとひと息。降り注ぐ陽の光を浴びながら、清く正しく生きていこうと心に誓った。
成田山 久留米分院
- 所在地
- 久留米市上津町1386-22
- 電話番号
- 0942-21-7500
- 利用可能時間
- 9時~17時
- 休み
- なし
- 駐車場
- あり
今も変わらない姿で 久留米を見守る高良大社
古写真に残る姿を求めて、高良山を歩く
久留米の町を見下ろす霊峰・高良山。
3月に開催された久留米市の企画による散策イベント「高良遊山 絵葉書で観光しませう」に乗じて、ついに登ってみた。
高良山は近代に入ると観光地として多くの人が訪れるようになり、[高良大社]では当時ブームだった写真絵葉書がたくさん作られたという。
今回のイベントは、7つの観光スポットを巡ると、各所でその絵葉書の写真がデザインされた特製カードを頂けるという趣向である。
シャトルバスに乗ることもできるけれど、もちろん徒歩による制覇を目指す。
車道を外れて参道に入ると空気は一変。午前中の雨に濡れた木々が鬱蒼として、厳かな雰囲気に包まれる。
足の踏み場を考えながら上る荒々しい石段はどこまでも続くかのようだ。
登山靴にリュックで軽快に先を行く人を見て後悔する。服装を間違えた…。長い裾を引きずって、もう汗だく。
やっぱり神様に会いに行くのは簡単じゃないんだなぁ。
車道に出ると、国の天然記念物に指定される「モウソウキンメイチク林」が見えてきた。黄色の稈は交互に緑の縦縞が入っていて珍しくも美しい。さやさやと葉の擦れる音と相まって荘厳な光景だ。御幣ならぬ竹林に日常の憂さも穢れも祓い清められ、三ノ鳥居をくぐる。
本坂を登り切ると、ようやく高良大社社殿に到着。
眼下に広がる久留米の町が清々しい。社殿の奥にはかの有名な「高良山神籠石」が。
7世紀頃の古代山城遺跡で、山裾まで1.5㎞に渡って巨石が神域を取り囲むように連なっているという。
ガイドさんによると、史跡の標識が立つこの地点は昔からよく写真に撮られ、いわゆるインスタ映えポイントだったとか。
カードの写真と同じ構図を狙ってばしゃばしゃ撮りながらあちこち歩き回っている内に受付時間終了。結局7つのスポットを回り切れず、すべてのカードを集められなかった。
とほほ。高良山は広いよ、奥深いよ。