大本山成田山久留米分院敷地内にある、前方部の短い全長約60mの帆立貝式(ほたてがいしき)前方後円墳です。墳丘は自然の丘陵を利用して造られ、後円部に横穴式石室があって、内部に妻入横口式(つまいりよこぐちしき)の家形石棺(いえがたせっかん)が納められています。
家形石棺の屋根には4個の環状縄掛突起があり、入口にははめ込み扉とそれを押さえる閂(かんぬき)を持った精巧な構造をしています。石棺内部には一面に赤色で彩色され、線刻された装飾文様を見ることができます。遺物についてはよくわかっていませんが、勾玉、金環、刀剣、甲冑が出土したと伝わり、日輪寺古墳よりやや古く、5世紀後半に作られたと考えられています。昭和26年に史跡として国の指定を受けました。